2010年4月2日金曜日

花はなぜ美しい?

花の季節になりました。美しい花々が野山を飾りますが、いったい植物が花を咲かせるのはなぜでしょうか。花を咲かせるのは虫媒花で、昆虫に蜜を与えながら、花粉の媒介をお願いしている、という仕組みになっていて、その昆虫に花の存在を知らせるために開くのだ、と今まで解釈されてきました▼ある研究者が、それでは花びらを取ってしまったら昆虫は来なくなるか、と花びらを全部とって観察していましたら、なんとそれでも昆虫は少しも不自由なしに、飛んでくることが分かった、と新聞の科学欄に書いてありました。昆虫は蜜のかおりだけで十分に花の存在を認識してしまうらしいのです▼もともと昆虫は花の色など識別できないのだそうです。それでは、蜜のかおりによって植物が昆虫を誘惑する仕掛けは理解できますが、わざわざ、美しい花を用意する必要はないわけです。ではなぜ?▼子供が可愛いのはなぜでしょう。もし子供が可愛くなかったら、誰も子供の面倒を見ようとしないから子供は成長できないかもしれません。つまり子供が可愛いのは、保護を求めているからにほかなりません。同じようにご婦人が美しいのは、男性の関心を引くためではないでしょうか▼同じ「理論」を花に適用してみると…。花が美しいのは、人間に見てもらい、関心を持ってもらうためではないでしょうか。つまり、植物は人間に愛されたいからこそ、花を開くのです(もちろん、昆虫に花粉を媒介してもらいながらですが)。「花は見られことによって救われる」と言った人がいますが、まさにそのとおりで、花は人間に見られ、愛されてこそ、初期の目的を果たすのです。(S)

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