2010年4月4日日曜日

諏訪湖治水計画の誤算  その2

 その際忘れてならないことに、水面の高さの管理方法の問題があります。『諏訪湖治水』では諏訪湖の水面は全面が平均して上昇したり下降したりするものとの前提に立っています。しかし実際は下流の釜口水門での「水位」と上流の諏訪市側での「水位」とでは差が出るということです。これをローリング現象というそうです。河川は上流が下流よりも水位が高いことは常識ですが、湖も河川の一部ですから、上流と下流とでは水位が違っても当然でしょう。ですから、釜口水門で計られた「水位」と諏訪市側の「水位」とでは差があるということです。このことを忘れて水位が釜口水門側だけで管理されているとしたら、氾濫を防止することはできないでしょう。
 それでは現在の状態下で、大雨のときに諏訪湖の氾濫を防ぐことはできないのでしょうか。釜口水門の放流量を増やすと、下流の天竜川が氾濫する、だから、どちらかで危険を負担するよりしょうがない、と今までは説明されていたようです。しかし無責任に諏訪湖を埋め立てて貯水量を減少させ、その分氾濫したからと言って「自業自得だ」というのではあまりに無分別です。しかし、よく考えてみるとこの「論争」は諏訪湖の水位が上がってからの対応に関する論争だということです。水位を上げない方法があれば「論争」は決着するはずです。
 「予備放流」という考えがあります。予備放流というのは、大雨警報や洪水警報が発令されるような気象状況になったとき、あらかじめ釜口水門を操作して、諏訪湖の水位を下げておく方法です。そうすれば、大雨が来た時点であわてずに対応できるはずです。
 このような考えを私たちは機会あるごとに諏訪建設事務所長に申し上げていますが、「諏訪湖治水」に基づく釜口水門の操作規則に反するという理由で全く無視され続けています。
 でも今回のように『諏訪湖治水計画』に大きな誤算があることが明らかになった以上、被災市民の一人としてあらためて提案させていただきたいと思います。関係各位のご検討を切に願うものです。(S)

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