2010年4月6日火曜日

コンクリートなき河川構想の提言

 2009年4月27日
長野県建設部長                          
入江靖 様
                                環境会議・諏訪
                                会長 塩原 俊

河川管理に関する考え方を根本的に転換してください
――コンクリートなき河川構想の提言――

このほど九州地方整備局筑後川河川事務所長より長野県建設部長に出向されましたことを、心から歓迎申し上げます。
1997年河川法か改正され、治水・利水に加えて「環境保全」という考えが導入されましたが、それ以後、国土交通省は実際の河川管理に際し、各県に対して環境保全の具体的な指導をなさってこられたのでしょうか。
長野県ではこの12年間河川管理上の具体的変化は全くみられませんが、これをどのようにお考えでしょうか。(別添の写真は7年かかってこのほど完成した岡谷市・下諏訪町の十四瀬川です。この改修工事に、どのような環境保全の考えが見られるでしょうか)
私たちは、温暖化防止など地球規模での自然保護の必要性が叫ばれている現在、わが国においても河川に関する考え方を根本的に転換すべきときにきていると認識し、下記のような提言を行いたいと思います。


1、大小各種の河川からできるだけコンクリートを排除(もしくは最低でも土壌被覆)し、生態系(魚や昆虫)の復活をはかってください。諏訪湖に天然のアユやウナギを戻すような施策を実施していただきたいと思います。
2、河川はできるだけ自然蛇行させることによって、瀬や淵を復活させ、河相を豊かにする方法を考案してください(帯工は河相を単純化し、生態系に有害です)。
3、河川には各種の植物を多植し流水をゆっくり流下させるようにすれば、下流の水位がそれだけ低下します。
4、高橋裕氏が言われているように、「河川にもっと自由を」与え、川幅を広げたり、各所に遊水地を設置することが必要でしょう。
5、今までは河川を道路と同じように管理してきたのではないでしょうか。むしろ河川は森林の一部とみなして管理する必要があるのではないでしょうか。
6、上記のような河川管理上の工法を「河川の森林化」と呼びたいと私たちは考えています。
以前にも旧建設省内には(故関正和氏が提唱したような)「多自然型川づくり」という考えがあったはずですが、この考えは現在どうなったのでしょうか。今後新建設部長としてどのようなお考え(哲学)をもって河川管理に臨まれるおつもりか、お聞かせください。 (以 上)

0 件のコメント:

コメントを投稿