2010年4月5日月曜日

森と林は同じではない

 今の人は「森林」と一言にいいますが、昔の人は『森(もり)』と『林(はやし)』を区別していたのではないでしょうか。林という文字はかなり早い時期(多分遣唐使の時代)に中国から入ってきたようですが、日本人は林と森を区別して、林という文字とは別に森という文字を造ったのだと思います。
 つまり、林という文字は中国の古い植林の技術と共に入ってきて、生やす場所(植林の場所)という意味に解釈され、それとは別に日本にたくさんあった「天然の樹林」を表す文字として、「森」という文字が造り出されたとわたしは解釈しています。
 林は植林した場所(もしくは植林の苗木を育てた場所)で、その文字の形が示しているように、若い樹木が行儀よく並んでいる姿を表すのに比し、森はその林のうえにもう一つ大きな樹木がそびえている形(天然樹林)を現しています。
 森とは日本に古くからあった「天然樹林」で、林とは植林した場所、もしくは植林の為に苗木を育てた畑を意味したのです。

 明治以来、日本の森はことごとく伐採され、針葉樹が植林されてきました。現在、間伐が問題になっている「日本の森」といわれているものの多くは、実は「もり」ではなく「はやし」に過ぎないのです。「はやし」を「もり」に変えていくことがいま必要なのではないでしょうか。

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