2011年8月7日日曜日

責任を明確にせよ!

日本国民は終戦時から戦後にかけて、戦争責任を明確にすることがなかった。そのため戦後の無責任体制が出来上がったといわれている。ドイツではニュールンベルク裁判の後、国民自らが「ナチス糾弾法」をつくって戦争指導者の責任を追及したが、日本では東京裁判で数人の被告が処刑されたあと、国民自らは戦争責任を追及せず、全てを水に流した。戦後、官僚や政治家が失政に対して誰も責任を取らないのは、戦後処理の甘さが災いしているのではないか▼このほどの原発事故に際して、未曽有の災害の責任を誰が取るのか。これは明らかに人災であり、責任者が居るはずではないか。マスコミにこの話題が載らないのは、どうしてだろうか。マスコミ自身に責任の一端があるからではないのか▼七月八日、ジャーナリストの広瀬隆氏と明石昇二郎氏は東電の勝俣会長をはじめ最高幹部三名、原子力安全委員長の斑目春樹、長崎大学山下俊一など三二名を、東京地検特捜部に告発した。告発人の広瀬隆氏は「チェルノブイリ以上のことが起きている。彼ら三二名をはっきり悪党と呼ぶ。はっきり呼ぶ」と記者会見で奥歯をかみしめたという▼酔っ払い運転のトラックが学童の列に突っ込んだら、運転手は裁判に掛けられるだろう。福島の民を故郷から追放し、子供たちを放射能の危険にさらしながら、誰も責任を取らず、勲章をもらい、(中曽根康弘は大勲位だ)高額な退職金をせしめ、のうのうと暮らしていることが許されていいのだろうか▼この際、戦後処理のあいまいさを反省し、失政に対しては責任を明確にすることを当局に求めるものである。そのことが、民主主義の成熟度を占う試金石となる。民族の危機に際し国民の決起を期待したい(S)

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