2010年11月30日火曜日

「浅川ダム再検証」はデタラメ

十一月二十九日、阿部知事は記者会見し、是非の判断を保留してきた浅川ダム建設について、「中止すべき重大な瑕疵(かし)は見いだされなかった」として継続する考えを表明しました。ところが発表された資料を見る限り、何ら新しいデータも観点もなく、従来の資料を並べて「重大な欠点見い出せず」と言っているに過ぎないことが分かりました▼その最大の問題点はご存知「基本高水」です。百年に一度という大雨のとき、どのような洪水が出るかを降った雨から計算して数値を出そうというものです。いくつかの過去の降雨と、その時の流出グラフを描き、その中から最大のものを選んで「基本高水」としています▼そう聞くと、誰でも「ああそうか浅川流域には過去にそんな雨が降っていたんだ」「その降雨から流出量を計算したんだ」と思うでしょう▼ところが、驚くなかれ、その高水を計算した当時は浅川流域には観測所がなかったのです。そこで、流域からかなり離れた「長野測候所」のデータを借りてきて、それをそのまま「流域内の降雨」とみなして、流出量を計算しているのです▼長野測候所は浅川流域の端から3kmも、流域の中心部からは4km以上も離れています。そんなに離れた地点のデータを流域内データとみなすとは、なんとも乱暴な話ではありませんか。長野県のように地形の複雑なところでは1km離れても雨の降り方は大変な違いがあるものです。それを無視して「一律とみなしてやってしまえ、むずかしい計算を積み重ねれば住民には分からないだろう」とたかをくくっているのです▼私たちは4年前「高水協議会」をもって、その矛盾点を指摘しました。阿部知事は読んだのでしょうか。再検証とはデタラメです(S)

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