2010年8月15日日曜日

有識者会議は果たして有識者?

前原国交相は、ダムを中止するかどうかの判断基準の設定を求めて「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」を設け、一月から秘密会議を十一回開いてきましたが、七月十三日「中間とりまとめ(案)」を発表しました▼非常に膨大なもので素人にはなかなか読めませんが、私が見た限り三つの大きな問題点があります。その第一は、見直す主体が「事業者」だという点です。つまり国営ダムなら大臣、県営ダムなら県知事といった具合です。ダム計画を推し進めてきた責任者の人が、見直すかどうかを決めるのです。これで果たして「中止」が進むのでしょうか▼第二の問題点は、サンクコストという考えを導入している点です。サンクコストというのは「過去のコスト」つまり今まで投資した費用は除外して、これからかかる費用と、「効果」を比較しようという考え方です。これですと、八ッ場ダムのように、いままで多額の費用がかかったダムはどうなるのでしょう▼第三の問題点は、ダム見直しに当たって「基本高水」の見直しには全く触れていない点です。基本高水はダムを造るために導入された概念ですから、これに触れなければ「ダムを造らざるを得ない」状況になってしまうのです▼このような問題点に対して「自然保護団体」からは、激しい抗議が国交省に殺到しました。見直しに当たっては住民団体をまじえた検討委員会を設けるべきだ、サンクコストは同意できないなどです▼「有識者」会議が、もっともらしい「報告書」を提出し、実際にダムを継続させようとする「魂胆」であることは明白です。これが果たして「有識者」でしょうか。だまされてはいけません。私たちは声をあげて、全面的な書き換えを求めていきましょう(S)

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