2010年4月23日金曜日

長野県諏訪建設事務所長 様

2010(平成22)年4月23日
諏訪建設事務所 所長 伊藤直喜様     環境会議・諏訪 会長 塩原俊

① 多自然川づくりについて

国土交通省河川局は平成18年10月13日「多自然川づくり基本方針」を策定し、「多自然川づくり」をすべての川づくりの基本とする、と発表しました。ところが、長野県においては、この方針を全く無視して、依然としてコンクリートの川づくりに専念しているように見受けられます(例:十四瀬川)。どうしてでしょうか。もし「いやそんなことはない」といわれるのなら、実例をご紹介ください。

わたしたちはこの現状を憂え、次のように申し入れを行いたいと思います。

・ 十四瀬川、砥川、新川のように新たに整備の必要となった河川については、必ず「多自然川づくり」の工法にて工事を実施していただきたい。
・ 角間川、承知川のように、すでにコンクリートで覆われた河川については、可及的速やかに「多自然川づくり」に転換していただきたい。
・ あらたに、砂防事業の必要性が発生した場合は、「多自然川づくり」の理念に則った工法を採用していただきたい(大和砂防ダムのようなコンクリート構造物は容認できません、またこの場所には活断層が走っています)。
・ 諏訪湖をはじめ各河川に昆虫や魚が戻ってくるような施策を至急実施していただきたい。(ウナギ、メダカ、ドジョウ、タニシなど身近な水生生物、ホタル、トンボなどの昆虫も激減しました。この現状をどのようにお考えでしょうか、お聞かせください)
・ 私たちは、諏訪圏域を「多自然川づくり」のモデルケースに指定し、河川を「緑のトンネル」にするよう、提案したいと思います。鳩山総理が「コンクリートから人へ」のスローガンを掲げている現在、地球温暖化防止と生物多様性に貢献する、「緑のトンネル」こそ21世紀の目標とするに相応しい施策と考えます。

② 諏訪湖治水計画について

2,006年7月の諏訪湖氾濫の原因は、計画高水位(基準水位+2.2m)が居住地レベルより、70cm~100cmほど高いことにあることは明らかです。釜口水門操作規則に拠れば、洪水が発生した際、わざわざ人為的に、諏訪湖水位を計画高水位まで上昇させるよう定められています。
これを生活者レベルに抑える方法として、事前放流(予備放流)の実施について、わたしたちは以前より再三にわたって検討していただくよう提案してきましたが、何の音沙汰も無く時間が経過しています。
諏訪湖治水計画の再検討について、検討委員会を設置するなど、可及的速やかに何らかの対策を講じられますことを、お願いいたします。

③  釜口水門下部放流について

再三お願いしてまいりましたが、諏訪湖の浮遊微粒子(もしくは汚泥)対策の一環として、釜口水門の下部放流について、早期試験放流のご検討をお願いいたします。

④  諏訪湖流域下水道について

県は只今、行政庁舎の耐震強化工事を実施中のようですが、諏訪湖流域下水道の耐震構造はどうなっているのでしょうか。庁舎並みの耐震強化工事が必要ではありませんか。

⑤  諏訪圏域河川整備計画について

 先日(昨年12月)河川整備計画改変についての公述会が開かれましたが、そのご河川整備計画はどのようになりましたか、お伺いいたします。
(以 上)

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