2011年2月14日月曜日
民主党革命の挫折
一昨年成立した民主党政権には二つの大きな課題があった。一つは対米自主外交であり、もう一つは脱官僚支配であった。この二つを最も強く主張していたのは、小沢一郎であった▼小沢はアメリカの駐日大使のじきじきの依頼を拒否してインド洋での給油作戦から自衛隊を撤退させ、続いて「将来の在日米軍は第七艦隊だけで充分」と発言した。日本の官僚はこれにおどろき、検察が動いて西松事件をでっちあげ、彼を司法の場に引きずり出した。民主党は官僚の力に驚き、菅政権が「小沢きり」を断行した▼一方、脱官僚で無駄を省くと言っては見たが、思うように行かず、一月二十一日、菅は次官を一堂に集めて、今までの無礼を謝し、これからは皆さんのお力をお借りしたい、と訴えた▼つまり菅政権は、小沢の影響を排除しようとするあまり、対米自主と脱官僚の二つの目玉を二つとも放棄してしまったのである。与謝野の起用は「これからは自民党と同じことをやりますから、よろしく」と言っていると同じであった▼「平成維新」「コンクリートから人へ」というあの意気込みはどこへ行ってしまったのか。「緑のダム構想」という気高い理想はどこに消えてしまったのか。臆面もなく「マニフェストの改定」まで言い始め、増税路線を明確にした▼これはアメリカと官僚組織への全面的降伏宣言である。民主党革命の挫折以外の何物でもない。国民は動揺し「自民党がダメだから民主党に投票したのに、民主党までダメなら一体どうすればいいのか」と嘆いている▼民主党は自らが挫折した事実にさえ気がついていない。これが本当の挫折である。国民こそ言い迷惑だ。民主党は解体して出直すべきだ(S)
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